内外判定通達

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(国外と国外との間における取引の取扱い)

5‐7‐1 事業者が国外において購入した資産を国内に搬入することなく他へ譲渡した場合には、その経理処理のいかんを問わず、その譲渡は、法第4条第1項《課税の対象》に規定する「国内において事業者が行った資産の譲渡等」に該当しないのであるから留意する。

 

 

(鉱業権等の範囲)

5‐7‐4 令第6条第1項第4号《鉱業権等の所在地》に規定する「鉱業権」、「租鉱権」又は「採石権」とは、次のものをいう(外国におけるこれらの権利を含む。)。

(1) 鉱業権 鉱業法第5条《鉱業権》に規定する鉱業権をいう。

(2) 租鉱権 鉱業法第6条《租鉱権》に規定する租鉱権をいう。

(3) 採石権 採石法第4条《採石権の内容及び性質》に規定する採石権をいう。

 

 

(特許権等の範囲)

5‐7‐5 令第6条第1項第5号《特許権等の所在地》に規定する「特許権」、「実用新案権」、「意匠権」、「商標権」、「回路配置利用権」又は「育成者権」とは、次のものをいう(外国に登録されているこれらの権利を含む。)。

(1) 特許権 特許法第66条《特許権の設定の登録》に規定する特許権をいう。

(2) 実用新案権 実用新案法第14条《実用新案権の設定の登録》に規定する実用新案権をいう。

(3) 意匠権 意匠法第20条《意匠権の設定の登録》に規定する意匠権をいう。

(4) 商標権 商標法第18条《商標権の設定の登録》に規定する商標権をいう。

(5) 回路配置利用権 半導体集積回路の回路配置に関する法律第10条《回路配置利用権の発生及び存続期間》に規定する回路配置利用権をいう。

(6) 育成者権 種苗法第19条《育成者権の発生及び存続期間》に規定する育成者権をいう。

 

 

(著作権等の範囲)

5‐7‐6 令第6条第1項第7号《著作権等の所在地》に規定する「著作権」、「出版権」又は「著作隣接権」とは、次のものをいう(外国におけるこれらの権利を含む。)。

(1) 著作権 著作権法の規定に基づき著作者が著作物に対して有する権利をいう。

(2) 出版権 著作権法第3章《出版権》に規定する出版権をいう。

(3) 著作隣接権 著作権法第89条《著作隣接権》に規定する著作隣接権をいう。

 

 

(特別の技術による生産方式の範囲)

5‐7‐7 令第6条第1項第7号《著作権の所在地》に規定する「特別の技術による生産方式」とは、特許に至らない技術、技術に関する附帯情報等をいい、いわゆるノウハウと称されるものがこれに該当する。

 

 

(営業権の範囲)

5‐7‐8 令第6条第1項第8号《営業権等の所在地》に規定する営業権には、例えば、繊維工業における織機の登録権利、許可漁業の出漁権、タクシー業のいわゆるナンバー権のように、法令の規定、行政官庁の指導等による規制に基づく登録、認可、許可、割当て等に基づく権利(外国におけるこれらの権利を含む。)が該当する。

 

 

(漁業権等の範囲)

5‐7‐9 令第6条第1項第8号《漁業権等の所在地》に規定する「漁業権」又は「入漁権」とは、次のものをいう(外国におけるこれらの権利を含む。)。

(1) 漁業権 漁業法第6条第1項《漁業権の定義》に規定する定置漁業権、区画漁業権及び共同漁業権をいう。

(2) 入漁権 漁業法第7条《入漁権の定義》に規定する入漁権をいう。

 

 

(資産の所在場所が国外である場合の取扱い)

5‐7‐10 国内の事業者が、国内の他の事業者に対し、対価を得て法第4条第3項第1号又は令第6条第1項《資産の譲渡等が国内において行われたかどうかの判定》の規定により国外に所在するものとされる資産の譲渡又は貸付けをした場合には、当該譲渡又は貸付けは国外において行われたこととなり、消費税の課税の対象とはならないのであるから留意する。

 

 

(船荷証券の譲渡に係る内外判定)

5‐7‐11 船荷証券の譲渡は、当該船荷証券に表彰されている貨物の譲渡であるから、原則として当該船荷証券の譲渡が行われる時において当該貨物が現実に所在している場所により国内取引に該当するかどうかを判定するのであるが、その船荷証券に表示されている「荷揚地」(PORT OF DISCHARGE)が国内である場合の当該船荷証券の譲渡については、その写しの保存を要件として国内取引に該当するものとして取り扱って差し支えない。
 なお、本邦からの輸出貨物に係る船荷証券の譲渡は、当該貨物の荷揚地が国外であることから、国外取引に該当する。

 

 

(貸付けに係る資産の所在場所が変わった場合の内外判定)

5‐7‐12 資産の貸付けが国内取引に該当するかどうかについては、当該貸付けの時において当該資産が所在していた場所で判定するのであるが、賃貸借に関する契約において貸付けに係る資産(特許権等の無形資産を除く。以下5‐7‐12において同じ。)の使用場所が特定されている場合で、当該契約に係る当事者間の合意に基づき、当該資産の使用場所を変更した場合には、変更後の当該資産の使用場所が国内にあるかどうかにより当該資産の貸付けが国内において行われたかどうかを改めて判定することとなるのであるから留意する。

 

 

(国内及び国外にわたって行われる旅客又は貨物の輸送等)

5‐7‐13 事業者が対価を得て行う令第6条第2項第1号から第3号まで《資産の譲渡等が国内において行われたかどうかの判定》に規定する国内及び国外にわたって行われる旅客若しくは貨物の輸送、通信又は郵便若しくは信書便(民間事業者による信書の送達に関する法律第2条第2項《定義》に規定する「信書便」をいう。以下7‐2‐23までにおいて同じ。)については、国内を出発地若しくは発送地、発信地又は差出地とするもの及び国内を到着地、受信地又は配達地とするものの全てが国内において行われた課税資産の譲渡等に該当し、法第7条第1項第3号《国際輸送等に係る輸出免税等》又は令第17条第2項第5号若しくは第7号《国際郵便等に係る輸出免税》の規定の適用を受けることになるのであるから留意する。

 

 

(事務所の意義)

5‐7‐14 令第6条第1項第2号《船籍のない船舶の所在地》に規定する「譲渡又は貸付けを行う者の当該譲渡又は貸付けに係る事務所、事業所その他これらに準ずるもの」とは、当該譲渡又は貸付けを行う者に係る事務所等で、当該譲渡又は貸付けに係る契約の締結、資産の引渡し、代金の回収等の事業活動を行う施設をいい、自らの資産を保管するためにのみ使用する一定の場所又は自己のために契約を締結する権限のある者その他これに準ずる者に係る事務所等は、これに含まれない。

 

 

(役務の提供に係る内外判定)

5‐7‐15 法第4条第3項第2号《課税の対象》に規定する役務の提供が行われた場所とは、現実に役務の提供があった場所として具体的な場所を特定できる場合にはその場所をいうのであり、具体的な場所を特定できない場合であっても役務の提供に係る契約において明らかにされている役務の提供場所があるときは、その場所をいうものとする。
 したがって、法第4条第3項第2号、令第6条第2項第1号から第5号まで《資産の譲渡等が国内において行われたかどうかの判定》の規定に該当する場合又は役務の提供に係る契約において明らかにされている役務の提供場所がある場合には、これらに定められた場所により国内取引に該当するかどうかを判定することとなり、役務の提供の場所が明らかにされていないもののほか、役務の提供が国内と国外の間において連続して行われるもの及び同一の者に対して行われる役務の提供で役務の提供場所が国内と国外の双方で行われるもののうち、その対価の額が合理的に区分されていないものについて、令第6条第2項第6号《役務の提供が国内、国外にわたるものの内外判定》の規定により判定することに留意する。

 

 

(電気通信利用役務の提供に係る内外判定)

5‐7‐15の2 電気通信利用役務の提供が国内において行われたかどうかの判定は、電気通信利用役務の提供を受ける者の住所若しくは居所(現在まで引き続いて1年以上居住する場所をいう。)又は本店若しくは主たる事務所の所在地(以下5‐7‐15の2において「住所等」という。)が国内にあるかどうかにより判定するのであるから、事業者が行う次のような電気通信利用役務の提供であっても、国内取引に該当する。
なお、電気通信利用役務の提供を受ける者の住所等が国内にあるかどうかについては、電気通信利用役務の提供を行う事業者が、客観的かつ合理的な基準に基づいて判定している場合にはこれを認める。

(1) 国内に住所を有する者に対して、その者が国外に滞在している間に行うもの

(2) 内国法人の国外に有する事務所に対して行うもの

 

 

(国外事業者の恒久的施設で行う特定仕入れに係る内外判定)

5‐7‐15の3 国外事業者の恒久的施設(法第4条第4項ただし書《課税の対象》に規定する恒久的施設をいう。)で行う特定仕入れ(他の者から受けた事業者向け電気通信利用役務の提供に該当するものに限る。以下5‐7‐15の4までにおいて同じ。)について、当該特定仕入れが国内において行う資産の譲渡等及び国内以外の地域において行う資産の譲渡等に共通して要するものである場合には、国内において行われたものに該当するのであるから留意する。

 

 

(国内事業者の国外事業所等で行う特定仕入れに係る内外判定)

5‐7‐15の4 事業者(国外事業者を除く。以下5‐7‐15の4において同じ。)の国外事業所等(法第4条第4項ただし書《課税の対象》に規定する国外事業所等をいう。以下11‐2‐13の2において同じ。)で行う特定仕入れが国内において行われたかどうかの判定は、当該特定仕入れを行った日の状況により行うのであるから、当該特定仕入れを行った日において、国内以外の地域において行う資産の譲渡等にのみ要するものであることが明らかなもののみが国外取引に該当することに留意する。

 

 

(特定資産の譲渡等に係る納税義務)

5‐8‐1 特定資産の譲渡等については、当該特定資産の譲渡等を行う国外事業者が課税事業者であるかどうかにかかわらず、当該特定資産の譲渡等を受けた事業者が、当該特定資産の譲渡等に係る特定課税仕入れについて納税義務者となることに留意する。

(注) 所得税法等の一部を改正する法律(平成27年法律第9号)附則第42条《特定課税仕入れに関する経過措置》及び第44条第2項《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例に関する経過措置》により、当分の間、課税売上割合が100分の95以上の課税期間(簡易課税制度が適用されない課税期間に限る。)及び簡易課税制度が適用される課税期間については、その課税期間に行った特定課税仕入れはなかったものとして消費税法の規定が適用されるのであるから留意する。

 

 

(特定資産の譲渡等の表示義務)

5‐8‐2 特定資産の譲渡等(国内において他の者が行う特定課税仕入れに該当するものに限る。以下5‐8‐2において同じ。)を行う国外事業者は、当該国外事業者が課税事業者であるかどうかにかかわらず、当該特定資産の譲渡等に係る特定課税仕入れを行う事業者が法第5条第1項《納税義務者》の規定により消費税を納める義務がある旨を表示しなければならないことに留意する。

(注) 当該表示義務の履行の有無は、当該特定資産の譲渡等を受ける事業者の納税義務には影響しない。

 

 

(電気通信利用役務の提供)

5‐8‐3 電気通信利用役務の提供とは、電気通信回線を介して行われる著作物の提供その他の電気通信回線を介して行われる役務の提供であって、他の資産の譲渡等の結果の通知その他の他の資産の譲渡等に付随して行われる役務の提供以外のものをいうのであるから、例えば、次に掲げるようなものが該当する。

(1) インターネットを介した電子書籍の配信

(2) インターネットを介して音楽・映像を視聴させる役務の提供

(3) インターネットを介してソフトウエアを利用させる役務の提供

(4) インターネットのウエブサイト上に他の事業者等の商品販売の場所を提供する役務の提供

(5) インターネットのウエブサイト上に広告を掲載する役務の提供

(6) 電話、電子メールによる継続的なコンサルティング

(注) 電気通信利用役務の提供に該当しない他の資産の譲渡等の結果の通知その他の他の資産の譲渡等に付随して行われる役務の提供には、例えば、次に掲げるようなものが該当する。

1 国外に所在する資産の管理・運用等について依頼を受けた事業者が、その管理等の状況をインターネットや電子メール(以下5‐8‐3において「インターネット等」という。)を利用して依頼者に報告するもの

2 ソフトウエア開発の依頼を受けた事業者が、国外においてソフトウエアの開発を行い、完成したソフトウエアについてインターネット等を利用して依頼者に送信するもの

 

 

(事業者向け電気通信利用役務の提供)

5‐8‐4 事業者向け電気通信利用役務の提供とは、国外事業者が行う電気通信利用役務の提供で、その役務の性質又は当該役務の提供に係る取引条件等から当該役務の提供を受ける者が通常事業者に限られるものをいうのであるから、例えば、次に掲げるようなものが該当する。

(1) インターネットのウエブサイト上への広告の掲載のようにその役務の性質から通常事業者向けであることが客観的に明らかなもの

(2) 役務の提供を受ける事業者に応じて、各事業者との間で個別に取引内容を取り決めて締結した契約に基づき行われる電気通信利用役務の提供で、契約において役務の提供を受ける事業者が事業として利用することが明らかなもの

(注) 消費者に対しても広く提供されるような、インターネットを介して行う電子書籍・音楽の配信又は各種ソフトウエアやゲームを利用させるなどの役務の提供は、インターネットのウエブサイト上に掲載した規約等で事業者のみを対象とするものであることを明示していたとしても、消費者からの申込みが行われ、その申込みを事実上制限できないものについては、その取引条件等からは事業者向け電気通信利用役務の提供に該当しないのであるから留意する。

 

 

(職業運動家の範囲)

5‐8‐5 令第2条の2《特定役務の提供の範囲》に規定する「職業運動家」には、運動家のうち、いわゆるアマチュア、ノンプロ等と称される者であっても、競技等の役務の提供を行うことにより報酬・賞金を受ける場合には、これに含まれることに留意する。

(注) 運動家には、陸上競技などの選手に限られず、騎手、レーサーのほか、大会などで競技する囲碁、チェス等の競技者等が含まれることに留意する。

 

 

(特定役務の提供から除かれるもの)

5‐8‐6 特定役務の提供は、国外事業者が他の事業者に対して行う役務の提供であっても不特定かつ多数の者に対して行うものは除かれるのであるから、例えば、国外事業者である音楽家自身が国内で演奏会等を主催し、不特定かつ多数の者に役務の提供を行う場合において、それらの者の中に事業者が含まれていたとしても、当該役務の提供は特定役務の提供には該当しないことに留意する。

 

 

(特定役務の提供を行う者の仲介等)

5‐8‐7 特定役務の提供は、令第2条の2《特定役務の提供の範囲》に規定する役務の提供が該当するのであるから、例えば、次に掲げるものは特定役務の提供には該当しないことに留意する。

(1) 特定役務の提供を受ける者が、特定役務の提供を行う者との契約の締結等のために、特定役務の提供を行う者以外の者に依頼する仲介等

(2) 特定役務の提供を受ける者が、特定役務の提供を行う者の所属していた法人その他の者に支払う移籍料等と称するものを対価とする取引で、権利の譲渡又は貸付けに該当するもの