免除 通達

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(納税義務が免除される課税期間)

1‐4‐1 法第9条第1項本文《小規模事業者に係る納税義務の免除》の規定は、基準期間における課税売上高が1,000万円以下の場合に、当該課税期間について消費税の納税義務を免除するものであるから、当該課税期間における課税売上高が1,000万円以下の場合であっても、その基準期間における課税売上高が1,000万円を超えているときは、当該課税期間について同項本文の規定は適用されないことに留意する。
(注) 当該課税期間について消費税の納税義務が免除されない事業者であっても、当該課税期間において、国内における課税資産の譲渡等(特定資産の譲渡等に該当するものを除く。11‐2‐12から11‐2‐20、11‐5‐7及び12‐4‐1を除き、以下同じ。)及び特定課税仕入れがなく、かつ、納付すべき消費税額がない場合には、法第45条第1項《課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れについての確定申告》の規定により、確定申告書の提出は要しない。
 
(基準期間における課税売上高等に含まれる範囲)
1‐4‐2 基準期間における課税売上高及び特定期間における課税売上高には、法第4条第5項《資産のみなし譲渡》の規定により資産の譲渡とみなされる場合及び第7条《輸出免税等》、第8条《輸出物品販売場における輸出物品の譲渡に係る免税》若しくは租特法第85条《外航船等に積み込む物品の譲渡等に係る免税》から第86条の2《海軍販売所等に対する物品の譲渡に係る免税》まで又はその他の法律又は条約の規定により消費税が免除される場合の課税資産の譲渡等に係る対価の額を含み、消費税額等、特定資産の譲渡等の対価の額、法第31条《非課税資産の輸出等を行った場合の仕入れに係る消費税額の控除の特例》の規定により課税資産の譲渡等とみなされるものの対価の額及び法第38条第1項《売上げに係る対価の返還等をした場合の消費税額の控除》に規定する売上げに係る対価の返還等の金額(当該売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額に63分の80を乗じて算出した金額を除く。)は含まないのであるから留意する。
(注)
1 特定期間における課税売上高は、法第第9条の2第3項《前年又は前事業年度等における課税売上高による納税義務の免除の特例》の規定により、1‐5‐23における給与等の金額の合計額とすることができることに留意する。
2 法第39条第1項《貸倒れに係る消費税額の控除等》に規定する事実が生じたため領収することができなくなった課税資産の譲渡等の対価の額は、当該基準期間及び当該特定期間に国内において行った課税資産の譲渡等の対価の額の合計額から控除しない。
3 法第5条第1項括弧書《納税義務者》により、法第9条第2項《基準期間における課税売上高の意義》における課税資産の譲渡等には特定資産の譲渡等は含まれないことから、基準期間における課税売上高及び特定期間における課税売上高には特定資産の譲渡等の対価の額は含まれないことに留意する。
4 消費税の課税標準とされる特定課税仕入れに係る支払対価の額は、当該特定課税仕入れの提供を受けた事業者における課税資産の譲渡等の対価の額ではないことから、当該特定課税仕入れを行った事業者の基準期間における課税売上高及び特定期間における課税売上高には含まれないことに留意する。
 
 
(原材料等の支給による加工等の場合の課税売上高の計算)
1‐4‐3 事業者が原材料等の支給を受けて加工等を行った場合の基準期間における課税売上高に算入される国内において行った課税資産の譲渡等の対価の額は、原則として、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次に掲げる対価の額となることに留意する。
(1) 製造販売契約の方式により原材料等の有償支給を受けている場合 加工等を行った製品の譲渡の対価の額
(2) 賃加工契約の方式により原材料等の無償支給を受けている場合 加工等に係る役務の提供の対価の額
 
(基準期間における課税売上高の算定単位)
1‐4‐4 基準期間における課税売上高は事業者単位で算定するのであるから、例えば、事業として食料品の販売を行っている事業者がその有する建物を事務所用として賃貸する場合のように、一の事業者が異なる種類の事業を行う場合又は2以上の事業所を有している場合であっても、それらの事業又は事業所における課税資産の譲渡等の対価の額の合計額により基準期間における課税売上高を算定することに留意する。
 
(基準期間が免税事業者であった場合の課税売上高)
1‐4‐5 基準期間である課税期間において免税事業者であった事業者が、当該基準期間である課税期間中に国内において行った課税資産の譲渡等については消費税等が課されていない。したがって、その事業者の基準期間における課税売上高の算定に当たっては、免税事業者であった基準期間である課税期間中に当該事業者が国内において行った課税資産の譲渡等に伴って収受し、又は収受すべき金銭等の全額が当該事業者のその基準期間における課税売上高となることに留意する。
新規開業等した場合の納税義務の免除)
1‐4‐6 法第9条第1項本文《小規模事業者に係る納税義務の免除》の規定の適用があるかどうかは、事業者の基準期間における課税売上高が1,000万円以下であるかどうかによって判定するのであるから、例えば、新たに開業した個人事業者又は新たに設立された法人のように、当該課税期間について基準期間における課税売上高がない場合又は基準期間がない場合には、納税義務が免除される。
 ただし、新たに開業した個人事業者又は新たに設立された法人が次のいずれかの規定の適用を受ける場合には、当該課税期間における納税義務は免除されないことに留意する。
(1) 個人事業者
イ 法第9条第4項《課税事業者の選択》の規定の適用を受ける者
ロ 法第9条の2第1項《前年又は前事業年度等における課税売上高による納税義務の免除の特例》の規定の適用を受ける者
ハ 法第10条《相続があった場合の納税義務の免除の特例》の規定の適用を受ける者
ニ 法第12条の4第1項《高額特定資産を取得した場合の納税義務の免除の特例》の規定の適用を受ける者
(2) 法人
イ 法第9条第4項の規定の適用を受ける法人
ロ 法第9条の2第1項の規定の適用を受ける法人
ハ 法第11条第3項又は第4項《合併があった場合の納税義務の免除の特例》の規定の適用を受ける法人
ニ 法第12条第1項又は第2項《分割等があった場合の納税義務の免除の特例》の規定の適用を受ける法人
ホ 法第12条の2第1項《新設法人の納税義務の免除の特例》の規定の適用を受ける法人
ヘ 法第12条の3第1項《特定新規設立法人の納税義務の免除の特例》の規定の適用を受ける法人
ト 法第12条の4第1項の規定の適用を受ける法人
(注) 個人事業者のいわゆる法人成りにより新たに設立された法人であっても、当該個人事業者の基準期間における課税売上高又は特定期間における課税売上高は、当該法人の基準期間における課税売上高又は特定期間における課税売上高とはならないのであるから留意する。
(法人における課税資産の譲渡等に係る事業を開始した課税期間の範囲)
1‐4‐7 その事業者が法人である場合の令第20条第1号《事業を開始した日の属する課税期間等の範囲》に規定する「国内において課税資産の譲渡等に係る事業を開始した日の属する課税期間」とは、原則として、当該法人の設立の日の属する課税期間をいうのであるが、例えば、非課税資産の譲渡等に該当する社会福祉事業のみを行っていた法人又は国外取引のみを行っていた法人が新たに国内において課税資産の譲渡等に係る事業を開始した課税期間もこれに含まれるのであるから留意する。
 なお、設立の日の属する課税期間においては設立登記を行ったのみで事業活動を行っていない法人が、その翌課税期間等において実質的に事業活動を開始した場合には、当該課税期間等もこれに含むものとして取り扱う。
(過去2年以上課税資産の譲渡等がない場合の令第20条第1号の適用)
1‐4‐8 令第20条第1号《事業を開始した日の属する課税期間等の範囲》に規定する「課税資産の譲渡等に係る事業を開始した日の属する課税期間」には、その課税期間開始の日の前日まで2年以上にわたって国内において行った課税資産の譲渡等又は課税仕入れ及び保税地域からの課税貨物の引取りがなかった事業者が課税資産の譲渡等に係る事業を再び開始した課税期間も該当するものとして取り扱う。
個人事業者の基準期間における課税売上高の判定)
1‐4‐9 個人事業者の基準期間における課税売上高については、次に掲げる場合のように当該基準期間において事業を行っていた期間が1年に満たないときであっても、当該基準期間における課税売上高によって法第9条第2項第1号《個人事業者に係る課税売上高》の規定を適用するのであるから留意する。
(1) 基準期間の中途で新たに事業を開始した場合
(2) 基準期間の中途で事業を廃止した場合
(3) 基準期間の中途で事業を廃止し、その後当該基準期間中に廃止前と同一又は異なる種類の事業を開始した場合において、これらの事業を行った期間が通算して1年に満たないとき
 
(課税事業者選択届出書を提出できる事業者)
1‐4‐10 法第9条第4項《課税事業者の選択》に規定する届出書(以下この章、4‐4‐1及び17‐1‐1において「課税事業者選択届出書」という。)は、基準期間における課税売上高が1,000万円以下となる課税期間について課税事業者を選択することを届け出るものであるから、当該届出書を提出しようとする課税期間において免税事業者である事業者に限らず、課税事業者である事業者も提出できるのであるから留意する。
 
(課税事業者選択届出書の効力)
1‐4‐11 課税事業者選択届出書は、その基準期間における課税売上高が1,000万円以下である課税期間について課税事業者となることを選択するものであるから、当該届出書を提出したことにより課税事業者となった後において基準期間における課税売上高が1,000万円を超えた場合であっても、法第9条第5項《課税事業者の選択不適用》に規定する届出書(以下この章において「課税事業者選択不適用届出書」という。)を提出しない限り課税事業者選択届出書の効力は存続し、基準期間における課税売上高が1,000万円以下の課税期間については、同条第1項本文《小規模事業者に係る納税義務の免除》の規定にかかわらず課税事業者となるのであるから留意する。
(注) 課税事業者選択不適用届出書を提出した事業者が、当該届出書の提出日以後、当該届出書を提出した日の属する課税期間中に法第9条第7項《調整対象固定資産の仕入れ等を行った場合の課税事業者選択不適用の制限》に規定する調整対象固定資産の仕入れ等(以下この章、13‐1‐4の2及び13‐1‐4の3において「調整対象固定資産の仕入れ等」という。)を行ったことにより同項の規定の適用を受けることとなった場合には、同項後段の規定により、当該届出書の提出がなかったものとみなされ、引き続き課税事業者選択届出書は、その効力が存続することに留意する。
(相続があった場合の課税事業者選択届出書の効力等)
1‐4‐12 相続(法第2条第4項《相続等の意義》に規定する相続をいう。以下同じ。)があった場合における法第9条第4項《課税事業者の選択》の規定の適用は、次のようになるのであるから留意する。
(1) 被相続人が提出した課税事業者選択届出書の効力は、相続により当該被相続人の事業を承継した相続人には及ばない。したがって、当該相続人が法第9条第4項の規定の適用を受けようとするときは、新たに課税事業者選択届出書を提出しなければならない。
(2) 事業を営んでいない相続人が相続により被相続人の事業を承継した場合又は個人事業者である相続人が相続により法第9条第4項の規定の適用を受けていた被相続人の事業を承継した場合において、当該相続人が相続があった日の属する課税期間中に課税事業者選択届出書を提出したときは、当該課税期間は、令第20条第1号《事業を開始した日の属する課税期間》又は第2号《相続があつた日の属する課税期間》に規定する課税期間に該当する。
 
(事業を開始した課税期間の翌課税期間からの課税事業者の選択)
1‐4‐14 事業者が課税事業者選択届出書を提出した場合には、当該課税事業者選択届出書を提出した日の属する課税期間の翌課税期間以後の課税期間(その基準期間における課税売上高が1,000万円を超える課税期間を除く。)について、課税事業者を選択できるのであるから、当該課税事業者選択届出書を提出した日の属する課税期間が令第20条各号《事業を開始した日の属する課税期間等の範囲》に規定する課税期間に該当する場合であっても、当該課税期間の翌課税期間から課税事業者を選択することもできることに留意する。
(注) この場合、事業者は、当該課税事業者選択届出書において適用開始課税期間の初日の年月日を明確にしなければならない。
事業を廃止した場合の届出書の取扱い)
1‐4‐15 課税事業者選択届出書を提出している事業者で、法第19条第1項第3号から第4号の2まで《課税期間の特例》、第37条第1項《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例》又は第42条第8項《任意の中間申告》の規定の適用を受けている者が事業を廃止した場合における届出書の取扱いについては、次による。
(1) 法第9条第5項《課税事業者の選択不適用》、第19条第3項《課税期間の特例の選択不適用》、第37条第4項《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例の選択不適用》又は第42条第9項《任意の中間申告書の提出の取りやめ》のいずれかに規定する事業を廃止した旨の届出書の提出があったときは、他の規定による事業を廃止した旨の届出書の提出があったものとして取り扱う。
(2) 法第57条第1項第3号《事業を廃止した場合の届出》に規定する事業を廃止した旨の届出書の提出があったときは、法第9条第5項、第19条第3項、第37条第4項又は第42条第9項に規定する事業を廃止した旨の届出書の提出があったものとして取り扱う。
(調整対象固定資産を売却等した場合の法第9条第7項の適用関係)
1‐4‐15の2 法第9条第7項《調整対象固定資産の仕入れ等を行った場合の課税事業者選択不適用届出の制限》の規定は、課税事業者選択届出書を提出した事業者が、同項に規定する各課税期間(法第37条第1項《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例》の適用を受ける課税期間を除く。)中に調整対象固定資産の仕入れ等を行った場合に適用されるのであるから、その後に当該調整対象固定資産を廃棄、売却等により処分したとしても、法第9条第7項の規定は継続して適用されることに留意する。
(「やむを得ない事情」の範囲)
1‐4‐16 法第9条第9項《届出書の提出時期に係る特例》に規定する「やむを得ない事情」とは、次に掲げるところによる。
(1) 震災、風水害、雪害、凍害、落雷、雪崩、がけ崩れ、地滑り、火山の噴火等の天災又は火災その他の人的災害で自己の責任によらないものに基因する災害が発生したことにより、法第9条第4項及び第5項《課税事業者の選択及び選択不適用》の届出書(以下1‐4‐16において「届出書」という。)の提出ができない状態になったと認められる場合
(2) (1)に規定する災害に準ずるような状況又は当該事業者の責めに帰することができない状態にあることにより、届出書の提出ができない状態になったと認められる場合
(3) その課税期間の末日前おおむね1月以内に相続があったことにより、当該相続に係る相続人が新たに法第9条第4項の届出書を提出できる個人事業者となった場合
 この場合には、その課税期間の末日にやむを得ない事情がやんだものとして取り扱う。
(4) (1)から(3)までに準ずる事情がある場合で、税務署長がやむを得ないと認めた場合
(「事情がやんだ後相当の期間内」の意義)
1‐4‐17 令第20条の2第3項《納税義務の免除の規定の適用を受けない旨の届出等に関する特例》に規定する「当該事情がやんだ後相当の期間内」とは、法第9条第9項《届出書の提出時期に係る特例》に規定する「やむを得ない事情」がやんだ日から2月以内の期間とする。
(納税義務が免除されない相続人の範囲)
1‐5‐1 法第10条第1項《相続があった場合の納税義務の免除の特例》に規定する「その年の基準期間における課税売上高が1,000万円以下である相続人」には、相続のあった日において現に事業を行っている相続人で当該相続のあった日の属する年の基準期間における課税売上高が1,000万円以下である者及び相続があった日の属する年の基準期間において事業を行っていない相続人が該当するのであるから留意する。
(包括遺贈)
1‐5‐2 法第2条第4項《相続等の範囲》に規定する「包括遺贈」とは、遺贈する財産を特定しないで、財産の全部又は財産の一定の割合として他人に遺贈することをいう。
(被相続人の事業を承継したとき)
1‐5‐3 法第10条第1項《相続があった場合の納税義務の免除の特例》に規定する「被相続人の事業を承継したとき」とは、相続により被相続人の行っていた事業の全部又は一部を継続して行うため財産の全部又は一部を承継した場合をいう。
(注) 特定遺贈又は死因贈与により受遺者又は受贈者が遺贈者又は贈与者の事業を承継したときは、法第10条第1項又は第2項の規定は適用されないから、当該受遺者又は受贈者のその課税期間について法第9条第1項本文《小規模事業者に係る納税義務の免除》の規定の適用があるかどうかは、当該受遺者又は受贈者のその課税期間に係る基準期間における課税売上高のみによって判定するのであるから留意する。
(相続があった場合の納税義務)
1‐5‐4 法第10条各項《相続があった場合の納税義務の免除の特例》の規定は、相続により被相続人の事業を承継した相続人について、次に掲げる場合に該当するときには、納税義務を免除しないとする趣旨であることに留意する。
(1) 相続があった年においては、相続人又は被相続人の基準期間における課税売上高のうちいずれかが1,000万円を超える場合
(注) 相続人の基準期間における課税売上高が1,000万円以下であっても被相続人の基準期間における課税売上高が1,000万円を超える場合には、当該相続人の当該相続のあった日の翌日からその年の12月31日までの間における課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れについて納税義務が免除されない。
(2) 相続のあった年の翌年及び翌々年においては、相続人の基準期間における課税売上高と被相続人のそれとの合計額が1,000万円を超える場合
(共同相続の場合の納税義務)
1‐5‐5 法第10条第1項又は第2項《相続があった場合の納税義務の免除の特例》の規定を適用する場合において、2以上の相続人があるときには、相続財産の分割が実行されるまでの間は被相続人の事業を承継する相続人は確定しないことから、各相続人が共同して被相続人の事業を承継したものとして取り扱う。この場合において、各相続人のその課税期間に係る基準期間における課税売上高は、当該被相続人の基準期間における課税売上高に各相続人の民法第900条各号《法定相続分》(同法第901条《代襲相続人の相続分》から第903条《特別受益者の相続分》までの規定の適用を受ける場合には、これらの各条)に規定する相続分に応じた割合を乗じた金額とする。
(「新設法人」の意義)
1‐5‐15 法第12条の2第1項《新設法人の納税義務の免除の特例》に規定する「新設法人」には、基準期間がない事業年度の開始の日における資本金の額又は出資の金額が1,000万円以上である法人が該当するのであるから、法人を新規に設立した事業年度に限らず当該設立した事業年度の翌事業年度以後の事業年度であっても、基準期間がない事業年度の開始の日における資本金の額又は出資の金額が1,000万円以上である場合には、新設法人に該当することとなるのであるから留意する。
(法第12条の3第1項に規定する特定要件の判定時期)
1‐5‐15の2 法第12条の3第1項《特定新規設立法人の納税義務の免除の特例》の規定の適用があるかどうかを判定する場合において、同項に規定する新規設立法人が特定要件(同項に規定する特定要件をいう。)に該当するかどうかは、その基準期間がない事業年度開始の日の現況による。
(注) 同項の規定の適用があるかどうかの判定は、法人を新規に設立した事業年度に限らず、当該設立した事業年度の翌事業年度以後の事業年度であっても、基準期間がない事業年度について行う必要があることに留意する。
(出資の金額の範囲)
1‐5‐16 法第12条の2第1項《新設法人の納税義務の免除の特例》に規定する「出資の金額」には、営利法人である合名会社、合資会社又は合同会社に係る出資の金額に限らず、農業協同組合及び漁業協同組合等の協同組合に係る出資の金額、特別の法律により設立された法人で出資を受け入れることとしている当該法人に係る出資の金額、地方公営企業法第18条《出資》に規定する地方公共団体が経営する企業に係る出資の金額及びその他の法人で出資を受け入れることとしている場合の当該法人に係る出資の金額が該当するのであるから留意する。
(新設法人等の3年目以後の取扱い)
1‐5‐18 法第12条の2第1項《新設法人の納税義務の免除の特例》又は第12条の3第1項《特定新規設立法人の納税義務の免除の特例》の規定は、基準期間がない法人について適用されるのであるから、基準期間ができた以後の課税期間(法第12条の2第2項《基準期間がない課税期間中に調整対象固定資産を取得した新設法人の納税義務の免除の特例》、第12条の3第3項《基準期間がない課税期間中に調整対象固定資産を取得した特定新規設立法人の納税義務の免除の特例》又は第12条の4第1項《高額特定資産を取得した場合の納税義務の免除の特例》の規定により法第9条第1項《小規模事業者に係る納税義務の免除》の規定が適用されないこととなる課税期間を除く。)における納税義務の有無の判定は、法第9条第1項の規定によることとなるのであるから留意する。
(注)
1 当該法人が、法第9条第1項の規定により納税義務が免除されることとなる場合であっても、特定期間ができた以後の課税期間における納税義務の有無の判定は、法第9条の2第1項《前年又は前事業年度等における課税売上高による納税義務の免除の特例》の規定の適用があることに留意する。
2 当該法人が、合併又は分割等により設立された法人である場合には、基準期間ができた以後の課税期間における納税義務の有無の判定は、法第9条第1項又は第9条の2第1項の規定によるほか、法第11条《合併があった場合の納税義務の免除の特例》又は第12条《分割等があった場合の納税義務の免除の特例》の規定によることとなるのであるから留意する。
(新設法人又は特定新規設立法人の簡易課税制度の適用)
1‐5‐19 法第12条の2第1項《新設法人の納税義務の免除の特例》の規定が適用される新設法人又は第12条の3第1項《特定新規設立法人の納税義務の免除の特例》の規定が適用される特定新規設立法人であっても、法第37条第3項第2号《調整対象固定資産の仕入れ等を行った場合の簡易課税制度選択届出書の提出制限》に該当する場合、同項第3号《高額特定資産の仕入れ等を行った場合の簡易課税制度選択届出書の提出制限》に該当する場合又は同条第4項が適用される場合を除き、法第37条第1項《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例》に規定する中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例(簡易課税制度)の選択はできるのであるから留意する。
(法人設立届出書の提出があったときの取扱い)
1‐5‐20 法法第148条《内国普通法人等の設立の届出》の規定による届出書の提出があった場合において、当該届出書に法第12条の2第1項《新設法人の納税義務の免除の特例》の規定の適用がある新設法人に該当する旨及び規則第26条第5項各号《新設法人に該当する旨の届出書の記載事項》に規定する事項の記載がある場合には、「消費税の新設法人に該当する旨の届出書」の提出があったものとして取り扱う。
(法第12条の2第2項の規定が適用される新設法人)
1‐5‐21 法第12条の2第2項《基準期間がない課税期間中に調整対象固定資産を取得した新設法人の納税義務の免除の特例》の規定が適用される新設法人は、その基準期間がない事業年度開始の日における資本金の額又は出資の金額が1,000万円以上である同条第1項《新設法人の納税義務の免除の特例》に規定する新設法人をいうのであるから、同項の規定により法第9条第1項本文《小規模事業者に係る納税義務の免除》の規定が適用されない新設法人に限られないことに留意する。
(法第12条の3第3項の規定が適用される特定新規設立法人)
1‐5‐21の2 法第12条の3第3項《基準期間がない課税期間中に調整対象固定資産を取得した特定新規設立法人の納税義務の免除の特例》の規定が適用される特定新規設立法人は、同条第1項《特定新規設立法人の納税義務の免除の特例》に規定する特定新規設立法人をいうのであるから、同項の規定により法第9条第1項本文《小規模事業者に係る納税義務の免除》の規定が適用されない特定新規設立法人に限られないことに留意する。
(調整対象固定資産を売却等した場合の法第12条の2第2項及び第12条の3第3項の適用関係)
1‐5‐22 法第12条の2第2項《基準期間がない課税期間中に調整対象固定資産を取得した新設法人の納税義務の免除の特例》の規定は、同条第1項《新設法人の納税義務の免除の特例》に規定する新設法人が、同条第2項に規定する各課税期間(法第37条第1項《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例》の適用を受ける課税期間を除く。)中に調整対象固定資産の仕入れ等を行った場合に適用されるのであるから、その後に当該調整対象固定資産を廃棄、売却等により処分したとしても、法第12条の2第2項の規定は継続して適用されることに留意する。
(注) 法第12条の2第2項の規定を準用することとしている法第12条の3第3項《基準期間がない課税期間中に調整対象固定資産を取得した特定新規設立法人の納税義務の免除の特例》の規定についても同様である。
(高額特定資産を売却等した場合の法第12条の4第1項の適用関係)
1‐5‐22の2 法第12条の4第1項《高額特定資産を取得した場合の納税義務の免除の特例》の規定は、法第9条第1項本文《小規模事業者に係る納税義務の免除》の規定が適用されない事業者が、法第37条第1項《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例》の規定の適用を受けない課税期間中に法第12条の4第1項に規定する高額特定資産の仕入れ等を行った場合に適用されるのであるから、その後に当該高額特定資産を廃棄、売却等により処分したとしても、同項の規定は継続して適用されることに留意する。
 
(特定期間における課税売上高とすることができる給与等の金額)
1‐5‐23 特定期間における課税売上高が1,000万円を超えるかどうかの判定は、特定期間における課税売上高又は法第9条の2第1項《前年又は前事業年度等における課税売上高による納税義務の免除の特例》の個人事業者若しくは法人が特定期間中に支払った所法第231条第1項《給与等、退職手当等又は公的年金等の支払明細書》に規定する支払明細書に記載すべき同項の給与等の金額に相当するものとして財務省令で定めるものの合計額のいずれかによることができる。
 この場合の、給与等の金額に相当するものとして財務省令で定めるものとは、所得税法施行規則(昭和40年大蔵省令第11号)第100条第1項第1号に規定する給与等の金額をいうことから、当該給与等の金額とは、所得税の課税対象とされる給与、賞与等が該当し、所得税が非課税とされる通勤手当、旅費等は該当しないことに留意する。
(注) 特定期間中において支払った給与等の金額には、未払額は含まれないことに留意する。
(法第12条の4第1項に規定する高額特定資産の支払対価)
1‐5‐24 資産が高額特定資産に該当するかどうかを判定する場合における令第25条の5第1項第1号《高額特定資産の範囲等》に規定する「課税仕入れに係る支払対価の額」とは当該資産に係る支払対価の額をいい、当該資産の購入のために要する引取運賃、荷役費等又は当該資産を事業の用に供するために必要な課税仕入れに係る支払対価の額は含まれないのであるから留意する。
(共有に係る高額特定資産)
1‐5‐25 事業者が他の者と共同で購入した資産(以下1‐5‐25及び12‐2‐4において「共有物」という。)が高額特定資産に該当するかどうかを判定する場合において、令第25条の5第1項《高額特定資産の範囲等》に規定する金額が1,000万円以上であるかどうかは、当該事業者の共有物に係る持分割合に応じて判定する。

(自己建設資産が調整対象固定資産である場合の高額特定資産の判定)

1‐5‐26 高額特定資産に該当するかどうかは、自己建設資産が調整対象固定資産である場合には、令第5条各号《調整対象固定資産の範囲》に掲げる資産について、その資産ごとに、その建設等に要した仕入れ等に係る支払対価の額(令第25条の5第1項第2号《高額特定資産の範囲等》に規定する「仕入れ等に係る支払対価の額」をいう。以下1‐5‐28までにおいて同じ。)の合計額を基礎として判定することに留意する。
(自己建設資産が棚卸資産である場合の高額特定資産の判定)
1‐5‐27 令第5条各号《調整対象固定資産の範囲》に掲げる資産であっても、棚卸資産の原材料として仕入れるものは、調整対象固定資産に該当しないのであるから、当該原材料を自ら建設等する棚卸資産の原材料として使用した場合には、その原材料の仕入れに係る支払対価の額についても、当該棚卸資産の建設等に要した仕入れ等に係る支払対価の額の合計額に含まれることに留意する。
(保有する棚卸資産を自己建設資産の原材料として使用した場合)
1‐5‐28 自己が保有する建設資材等の棚卸資産を自己建設資産の原材料として使用した場合には、当該棚卸資産の仕入れに係る支払対価の額は、当該自己建設資産の建設等に要した仕入れ等に係る支払対価の額に含まれることに留意する。