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 (課税仕入れ)

11‐1‐1 課税仕入れとは、事業者が、事業として資産を譲り受け、若しくは借り受け、又は役務の提供を受けることをいうから、個人事業者が家事消費又は家事使用をするために資産を譲り受け、若しくは借り受け、又は役務の提供を受けることは、事業として行われるものではないから、課税仕入れに該当しないことに留意する。
(注) 課税仕入れには特定課税仕入れも含まれることに留意する。
(給与等を対価とする役務の提供)
11‐1‐2 法第2条第1項第12号《課税仕入れの意義》の規定により、課税仕入れの範囲から除かれる「給与等を対価とする役務の提供」とは、雇用契約又はこれに準ずる契約に基づき給与等を対価として労務を提供することをいうのであるが、この場合の給与等には、俸給、給料、賃金、歳費、賞与及びこれらの性質を有する給与のほか、過去の労務の提供を給付原因とする退職金、年金等も該当することに留意する。
(課税仕入れの相手方の範囲)
11‐1‐3 法第2条第1項第12号《課税仕入れの意義》に規定する「他の者」には、課税事業者及び免税事業者のほか消費者が含まれる。
(注)1 令第57条第6項《事業の種類》に規定する「他の者」についても同様である。
2 所得税法等の一部を改正する法律(平成27年法律第9号)附則第38条第1項《国外事業者から受けた電気通信利用役務の提供に係る税額控除に関する経過措置》により、事業者向け電気通信利用役務の提供以外の電気通信利用役務の提供で、同法附則第39条第1項《国外事業者の登録等》に規定する国税庁長官の登録を受けた登録国外事業者以外の国外事業者から受けたものは、当分の間、消費税法第30条から第36条《仕入れに係る消費税額の控除等》までの規定は適用されない。
(家事共用資産の取得)
11‐1‐4 個人事業者が資産を事業と家事の用途に共通して消費し、又は使用するものとして取得した場合、その家事消費又は家事使用に係る部分は課税仕入れに該当しないことに留意する。この場合において、当該資産の取得に係る課税仕入れに係る支払対価の額は、当該資産の消費又は使用の実態に基づく使用率、使用面積割合等の合理的な基準により計算するものとする。
 なお、個人事業者が、課税仕入れに係る資産を一時的に家事使用しても、当該家事使用について法第4条第5項第1号《みなし譲渡》の規定の適用はないのであるから留意する。
(水道光熱費等の取扱い)
11‐1‐5 個人事業者が支出する水道光熱費等の支払対価の額のうち課税仕入れに係る支払対価の額に該当するのは、所法令第96条各号《家事関連費》に掲げる経費に係る部分に限られるのであるから留意する。
(実質的な輸入者と輸入申告名義人が異なる場合の取扱い)
11‐1‐6 課税貨物について、関税定率法第9条の2《関税割当制度》の規定により割当てを受け又は関税暫定措置法の規定により関税の軽減若しくは免除を受ける場合には、当該割当てを受けた者又は軽減若しくは免除を受けようとする者(当該課税貨物を使用又は消費する者)の名をもって輸入申告をしなければならないこととされている(いわゆる「限定申告」)が、当該輸入申告を行う者(以下「輸入申告者」という。)が単なる名義人であって当該課税貨物を実質的に輸入する者(以下「実質的な輸入者」という。)が別に存在する場合において、次の全てに該当するときは、実質的な輸入者が当該課税貨物を保税地域から引き取ったものとして法第30条から第36条《仕入れに係る消費税額の控除等》の規定を適用する。
(1) 実質的な輸入者が、輸入申告者が引き取ったものとされる当該課税貨物を輸入申告後において輸入申告者に有償で譲渡する。
(2) 実質的な輸入者が、当該課税貨物の引取りに係る消費税額及び地方消費税額を負担する。
(3) 実質的な輸入者が、輸入申告者名義の輸入許可書及び同名義の引取りに係る消費税等の領収証書の原本を保存する。
(新規に開業をした事業者の仕入税額控除)
11‐1‐7 法第30条《仕入れに係る消費税額の控除》の規定の適用があるのは、課税事業者に限られるのであるが、新たに事業を開始した個人事業者又は新たに設立した法人は、法第9条の2《前年又は前事業年度等における課税売上高による納税義務の免除の特例》から法第12条の4《高額特定資産を取得した場合の納税義務の免除の特例》までの規定により納税義務が免除されない者を除き、法第9条第1項本文《小規模事業者に係る納税義務の免除》の規定により納税義務が免除されることとなるため、法第9条第4項《課税事業者の選択》の規定により課税事業者を選択しない限り、課税仕入れ等の税額を控除することはできないのであるから留意する。
(相続等により課税事業者となった場合の仕入税額控除)
11‐1‐8 法第9条第1項本文《小規模事業者に係る納税義務の免除》の規定により消費税を納める義務が免除される事業者が、法第10条第1項《相続があった場合の納税義務の免除の特例》、第11条第1項《合併があった場合の納税義務の免除の特例》又は第12条第1項若しくは第5項《分割等があった場合の納税義務の免除の特例》の規定により、その課税期間の中途において法第9条第1項本文の規定の適用を受けないこととなった場合には、その適用を受けないこととなった日から同日の属する課税期間の末日までの期間について、法第30条《仕入れに係る消費税額の控除》及び法第32条《仕入れに係る対価の返還等を受けた場合の仕入れに係る消費税額の控除の特例》の規定を適用することとなるのであるから留意する。
(注) 法第12条第1項の規定により、その課税期間の中途において法第9条第1項本文の規定の適用を受けないこととなった場合とは、法第12条第7項第3号《分割等の意義》に該当する分割等による設立がこれに該当する。
(出張旅費、宿泊費、日当等)
11‐2‐1 役員又は使用人(以下「使用人等」という。)が勤務する場所を離れてその職務を遂行するため旅行をし、若しくは転任に伴う転居のための旅行をした場合又は就職若しくは退職をした者若しくは死亡による退職をした者の遺族(以下11‐2‐1において「退職者等」という。)がこれらに伴う転居のための旅行をした場合に、事業者がその使用人等又はその退職者等に支給する出張旅費、宿泊費、日当等のうち、その旅行について通常必要であると認められる部分の金額は、課税仕入れに係る支払対価に該当するものとして取り扱う。
(注)
1 「その旅行について通常必要であると認められる部分の金額」の範囲については、所基通9‐3《非課税とされる旅費の範囲》の例により判定する。
2 海外出張のために支給する旅費、宿泊費及び日当等は、原則として課税仕入れに係る支払対価に該当しない。
(通勤手当)
11‐2‐2 事業者が使用人等で通勤者である者に支給する通勤手当(定期券等の支給など現物による支給を含む。)のうち、当該通勤者がその通勤に必要な交通機関の利用又は交通用具の使用のために支出する費用に充てるものとした場合に、その通勤に通常必要であると認められる部分の金額は、課税仕入れに係る支払対価に該当するものとして取り扱う。
(現物給付する資産の取得)
11‐2‐3 事業者が使用人等に金銭以外の資産を給付する場合の当該資産の取得が課税仕入れに該当するかどうかは、その取得が事業としての資産の譲受けであるかどうかを基礎として判定するのであり、その給付が使用人等の給与として所得税の課税の対象とされるかどうかにかかわらないのであるから留意する。
(使用人等の発明等に係る報償金等の支給)
11‐2‐4 事業者が、業務上有益な発明、考案等をした自己の使用人等に支給する報償金、表彰金、賞金等の金銭のうち次に掲げる金銭については、課税仕入れに係る支払対価に該当する。
(1) 業務上有益な発明、考案又は創作をした使用人等から当該発明、考案又は創作に係る特許を受ける権利、実用新案登録を受ける権利若しくは意匠登録を受ける権利又は特許権、実用新案権若しくは意匠権を承継したことにより支給するもの
(2) 特許権、実用新案権又は意匠権を取得した使用人等にこれらの権利に係る実施権の対価として支給するもの
(3) 事務若しくは作業の合理化、製品の品質改良又は経費の節約等に寄与する工夫、考案等(特許又は実用新案登録若しくは意匠登録を受けるに至らないものに限り、その工夫、考案等がその者の通常の職務の範囲内の行為である場合を除く。)をした使用人等に支給するもの
(外交員等の報酬)
11‐2‐5 外交員、集金人、電力量計等の検針人その他これらに類する者に対して支払う報酬又は料金のうち、所法第28条第1項《給与所得》に規定する給与所得に該当する部分については、課税仕入れに係る支払対価には該当しないのであるから留意する。
(注) この場合において、給与所得に該当する部分とその他の部分との区分は、所基通204‐22《外交員又は集金人の業務に関する報酬又は料金》の例による。
(会費、組合費等)
11‐2‐6 事業者がその同業者団体、組合等に対して支払った会費又は組合費等(以下11‐2‐6において「会費等」という。)について、当該同業者団体、組合等において、5‐5‐3《会費、組合費等》により、団体としての通常の業務運営のために経常的に要する費用を賄い、それによって団体の存立を図るものとして資産の譲渡等の対価に該当しないとしているときは、当該会費等は課税仕入れに係る支払対価に該当しないのであるから留意する。
 5‐5‐4《入会金》に掲げる同業者団体、組合等に支払う入会金についても、同様とする。
(ゴルフクラブ等の入会金)
11‐2‐7 事業者が支払う入会金のうち、ゴルフクラブ、宿泊施設、体育施設、遊戯施設その他レジャー施設の利用又は一定の割引率で商品等を販売するなど会員に対する役務の提供を目的とする団体の会員資格を得るためのもので脱退等に際し返還されないものは、課税仕入れに係る支払対価に該当する。
(公共的施設の負担金等)
11‐2‐8 国若しくは地方公共団体の有する公共的施設又は同業者団体等の有する共同的施設の設置又は改良のため、国若しくは地方公共団体又は同業者団体等がこれらの施設の利用者又は受益者から受ける負担金、賦課金等で、当該国若しくは地方公共団体又は同業者団体等において、資産の譲渡等の対価に該当しないこととしているものについては、当該負担金、賦課金等を支払う事業者においても、課税仕入れに係る支払対価に該当しないのであるから留意する。
(注) 負担金等が例えば専用側線利用権、電気ガス供給施設利用権、水道施設利用権、電気通信施設利用権等の権利の設定等に係る対価と認められる等の場合には、当該負担金等は、それを支払う事業者において課税仕入れに係る支払対価に該当する。
(共同行事等に係る負担金)
11‐2‐9 同業者団体等の構成員が共同して行う宣伝、販売促進、会議等に要した費用を賄うために当該同業者団体等が構成員から受ける負担金等について、当該費用の全額について構成員ごとの負担割合が予め定められ、かつ、当該同業者団体等において当該宣伝等をその負担割合に応じて構成員が実施したものとして取り扱っている場合は、それを支払う構成員において当該負担金等の費途ごとに、法第2条第1項第12号《課税仕入れの意義》の規定を適用することとなる。
(保険金等による資産の譲受け等)
11‐2‐10 法第2条第1項第12号《課税仕入れの意義》に規定する「他の者から資産を譲り受け、若しくは借り受け、又は役務の提供を受けること」(以下11‐2‐10において「資産の譲受け等」という。)が課税仕入れに該当するかどうかは、資産の譲受け等のために支出した金銭の源泉を問わないのであるから、保険金、補助金、損害賠償金等を資産の譲受け等に充てた場合であっても、その資産の譲受け等が課税仕入れに該当するときは、その課税仕入れにつき法第30条《仕入れに係る消費税額の控除》の規定が適用されるのであるから留意する。
(滅失等した資産に係る仕入税額控除)
11‐2‐11 課税仕入れ等に係る資産が事故等により滅失し、若しくは亡失した場合又は盗難にあった場合などのように、結果的に資産の譲渡等を行うことができなくなった場合であっても、当該課税仕入れ等について法第30条《仕入れに係る消費税額の控除》の規定が適用されるのであるから留意する。
(課税資産の譲渡等にのみ要するものの意義)
11‐2‐12 法第30条第2項第1号《個別対応方式による仕入税額控除》に規定する課税資産の譲渡等にのみ要するもの(以下「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」という。)とは、課税資産の譲渡等を行うためにのみ必要な課税仕入れ等をいい、例えば、次に掲げるものの課税仕入れ等がこれに該当する。
 なお、当該課税仕入れ等を行った課税期間において当該課税仕入れ等に対応する課税資産の譲渡等があったかどうかは問わないことに留意する。
(1) そのまま他に譲渡される課税資産
(2) 課税資産の製造用にのみ消費し、又は使用される原材料、容器、包紙、機械及び装置、工具、器具、備品等
(3) 課税資産に係る倉庫料、運送費、広告宣伝費、支払手数料又は支払加工賃等
(国外取引に係る仕入税額控除)
11‐2‐13 国外において行う資産の譲渡等のための課税仕入れ等がある場合は、当該課税仕入れ等について法第30条《仕入れに係る消費税額の控除》の規定が適用されるのであるから留意する。
この場合において、事業者が個別対応方式を適用するときは、当該課税仕入れ等は課税資産の譲渡等にのみ要するものに該当する。
 
(国内事業者の国外支店が受けた電気通信利用役務の提供)
11‐2‐13の2 電気通信利用役務の提供が国内において行われたかどうかについては、役務の提供を受けた者が法人である場合には、当該法人の本店又は主たる事務所の所在地が国内にあるかどうかにより判定するのであるから、例えば、内国法人の国外事業所等において受けた電気通信利用役務の提供であっても、原則として国内において行った課税仕入れに該当することに留意する。
(注) 内国法人の国外事業所等で受けた事業者向け電気通信利用役務の提供に係る特定仕入れについては、法第4条第4項ただし書《課税の対象》の規定の適用があることに留意する。
(国外事業者が行う特定資産の譲渡等のための仕入税額控除)
11‐2‐13の3 国外事業者が行った課税仕入れであっても法第30条《仕入れに係る消費税額の控除》の規定が適用されるのであるが、当該課税仕入れが特定資産の譲渡等(法第6条第1項《非課税》の規定により非課税とされるものを除く。)のための課税仕入れである場合に、国外事業者が個別対応方式を適用するときは、当該課税仕入れは課税資産の譲渡等にのみ要するものに該当する。
(試供品、試作品等に係る仕入税額控除)
11‐2‐14 課税資産の譲渡等に係る販売促進等のために得意先等に配布される試供品、試作品等に係る課税仕入れ等は、課税資産の譲渡等にのみ要するものに該当する。
(課税資産の譲渡等以外の資産の譲渡等にのみ要するものの意義)
11‐2‐15 法第30条第2項第1号《個別対応方式による仕入税額控除》に規定する課税資産の譲渡等以外の資産の譲渡等にのみ要するもの(以下「その他の資産の譲渡等にのみ要するもの」という。)とは、法第6条第1項《非課税》の規定により非課税となる資産の譲渡等(以下「非課税資産の譲渡等」という。)を行うためにのみ必要な課税仕入れ等をいい、例えば、販売用の土地の造成に係る課税仕入れ、賃貸用住宅の建築に係る課税仕入れがこれに該当する。
(不課税取引のために要する課税仕入れの取扱い)
11‐2‐16 法第30条第2項第1号《個別対応方式による仕入税額控除》に規定する課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するもの(以下「課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するもの」という。)とは、原則として課税資産の譲渡等と非課税資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れ等をいうのであるが、例えば、株券の発行に当たって印刷業者へ支払う印刷費、証券会社へ支払う引受手数料等のように資産の譲渡等に該当しない取引に要する課税仕入れ等は、課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するものに該当するものとして取り扱う。
(金銭以外の資産の贈与)
11‐2‐17 事業者がした金銭による寄附は課税仕入れに該当しないが、金銭以外の資産を贈与した場合の当該資産の取得が課税仕入れ等に該当するときにおける個別対応方式の適用に当たっては、当該課税仕入れ等は、原則として課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するものに該当するものとして取り扱う。
(個別対応方式の適用方法)
11‐2‐18 個別対応方式により仕入れに係る消費税額を計算する場合には、その課税期間中において行った個々の課税仕入れ等について、必ず、課税資産の譲渡等にのみ要するもの、その他の資産の譲渡等にのみ要するもの及び課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するものとに区分しなければならない。したがって、例えば、課税仕入れ等の中から課税資産の譲渡等にのみ要するものを抽出し、それ以外のものを全て課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するものに該当するものとして区分することは認められないのであるから留意する。
(共通用の課税仕入れ等を合理的な基準により区分した場合)
11‐2‐19 課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するものに該当する課税仕入れ等であっても、例えば、原材料、包装材料、倉庫料、電力料等のように生産実績その他の合理的な基準により課税資産の譲渡等にのみ要するものとその他の資産の譲渡等にのみ要するものとに区分することが可能なものについて当該合理的な基準により区分している場合には、当該区分したところにより個別対応方式を適用することとして差し支えない。
(課税仕入れ等の用途区分の判定時期)
11‐2‐20 個別対応方式により仕入れに係る消費税額を計算する場合において、課税仕入れ及び保税地域から引き取った課税貨物を課税資産の譲渡等にのみ要するもの、その他の資産の譲渡等にのみ要するもの及び課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するものに区分する場合の当該区分は、課税仕入れを行った日又は課税貨物を引き取った日の状況により行うこととなるのであるが、課税仕入れを行った日又は課税貨物を引き取った日において、当該区分が明らかにされていない場合で、その日の属する課税期間の末日までに、当該区分が明らかにされたときは、その明らかにされた区分によって法第30条第2項第1号《個別対応方式による仕入税額控除》の規定を適用することとして差し支えない。
(一括比例配分方式から個別対応方式への変更)
11‐2‐21 一括比例配分方式を適用した事業者は、法第30条第5項《仕入控除方式の変更》の規定により一括比例配分方式を2年間以上継続した後でなければ、個別対応方式に変更できないのであるが、一括比例配分方式を適用した課税期間の翌課税期間以後の課税期間における課税売上高が5億円以下、かつ、課税売上割合が95%以上となり、同条第1項《仕入れに係る消費税額の控除》の規定が適用される場合も、一括比例配分方式を継続適用したこととなるのであるから留意する。
(費途不明の交際費等)
11‐2‐23 事業者が当該課税期間の課税仕入れ等の税額の控除に係る帳簿及び請求書等を保存しない場合(法第30条第7項ただし書《災害等により保存できなかった場合》に該当する場合を除く。)には、その保存がない課税仕入れ等の税額について法第30条第1項《仕入れに係る消費税額の控除》の規定を適用することができないのであるから、例えば、課税仕入れに関する記録がない場合のほか、事業者が交際費、機密費等の名義をもって支出した金額でその費途が明らかでないものについても同項の規定の適用を受けることができないのであるから留意する。
(課税仕入れを行った日の意義)
11‐3‐1 法第30条第1項第1号《仕入れに係る消費税額の控除》に規定する「課税仕入れを行った日」及び同項第2号に規定する「特定課税仕入れを行った日」とは、課税仕入れに該当することとされる資産の譲受け若しくは借受けをした日又は役務の提供を受けた日をいうのであるが、これらの日がいつであるかについては、別に定めるものを除き、第9章《資産の譲渡等の時期》の取扱いに準ずる。
(割賦購入の方法等による課税仕入れを行った日)
11‐3‐2 割賦購入の方法又はリース取引による課税資産の譲り受けが課税仕入れに該当する場合には、その課税仕入れを行った日は、当該資産の引渡し等を受けた日となるのであるから、当該課税仕入れについては、当該資産の引渡し等を受けた日の属する課税期間において法第30条第1項《仕入れに係る消費税額の控除》の規定を適用するのであるから留意する。
(注) リース取引において、賃借人が支払うべきリース料の額をその支払うべき日の属する課税期間の賃借料等として経理している場合であっても同様である。
(減価償却資産に係る仕入税額控除)
11‐3‐3 課税仕入れ等に係る資産が減価償却資産に該当する場合であっても、当該課税仕入れ等については、当該資産の課税仕入れ等を行った日の属する課税期間において法第30条《仕入れに係る消費税額の控除》の規定が適用されるのであるから留意する。
(繰延資産に係る課税仕入れ等の仕入税額控除)
11‐3‐4 創立費、開業費又は開発費等の繰延資産に係る課税仕入れ等については、その課税仕入れ等を行った日の属する課税期間において法第30条《仕入れに係る消費税額の控除》の規定が適用されるのであるから留意する。
(未成工事支出金)
11‐3‐5 事業者が、建設工事等に係る目的物の完成前に行った当該建設工事等のための課税仕入れ等の金額について未成工事支出金として経理した場合においても、当該課税仕入れ等については、その課税仕入れ等をした日の属する課税期間において法第30条《仕入れに係る消費税額の控除》の規定が適用されるのであるが、当該未成工事支出金として経理した課税仕入れ等につき、当該目的物の引渡しをした日の属する課税期間における課税仕入れ等としているときは、継続適用を条件として、これを認める。
(建設仮勘定)
11‐3‐6 事業者が、建設工事等に係る目的物の完成前に行った当該建設工事等のための課税仕入れ等の金額について建設仮勘定として経理した場合においても、当該課税仕入れ等については、その課税仕入れ等をした日の属する課税期間において法第30条《仕入れに係る消費税額の控除》の規定が適用されるのであるが、当該建設仮勘定として経理した課税仕入れ等につき、当該目的物の完成した日の属する課税期間における課税仕入れ等としているときは、これを認める。
(郵便切手類又は物品切手等の引換給付に係る課税仕入れの時期)
11‐3‐7 法別表第1第4号イ又はハ《郵便切手類等の非課税》に規定する郵便切手類又は物品切手等は、購入時においては課税仕入れには該当せず、役務又は物品の引換給付を受けた時に当該引換給付を受けた事業者の課税仕入れとなるのであるが、郵便切手類又は物品切手等を購入した事業者が、当該購入した郵便切手類又は物品切手等のうち、自ら引換給付を受けるものにつき、継続して当該郵便切手類又は物品切手等の対価を支払った日の属する課税期間の課税仕入れとしている場合には、これを認める。
(短期前払費用)
 
 
11‐3‐8 前払費用(一定の契約に基づき継続的に役務の提供を受けるために支出した課税仕入れに係る支払対価のうち当該課税期間の末日においていまだ提供を受けていない役務に対応するものをいう。)につき所基通37‐30の2又は法基通2‐2‐14《短期前払費用》の取扱いの適用を受けている場合は、当該前払費用に係る課税仕入れは、その支出した日の属する課税期間において行ったものとして取り扱う。
(課税貨物を引き取った日の意義)
11‐3‐9 法第30条第1項第2号《仕入れに係る消費税額の控除》に規定する「課税貨物を引き取った日」とは、関税法第67条《輸出又は輸入の許可》に規定する輸入の許可を受けた日をいう。
 なお、関税法第73条第1項《輸入の許可前における貨物の引取》に規定する承認を受けて課税貨物を引き取った場合における法第30条第1項の規定の適用は、実際に当該課税貨物を引き取った日の属する課税期間となるのであるが、令第46条第1項《輸入の許可前に引き取る課税貨物に係る消費税額の控除の時期の特例》の規定によることもできるのであるから留意する。また、関税法第77条第5項《郵便物の関税の納付等》の規定の適用を受ける郵便物を引き取った場合も同様である。
(注) 保税地域から引き取る課税貨物につき特例申告書(法第2条第1項第18号《定義》に規定する特例申告書をいう。以下11‐3‐9及び15‐4‐6において同じ。)を提出した場合には、当該特例申告書を提出した日の属する課税期間において法第30条《仕入れに係る消費税額の控除》の規定が適用されるのであるから留意する。
(許可前引取りに係る見積消費税額の調整)
11‐3‐10 事業者が、関税法第73条第1項《輸入の許可前における貨物の引取》に規定する税関長の承認を受けて輸入の許可前に課税貨物を引き取り、当該引取りに係る見積消費税額(輸入申告書の金額を基に計算する等の方法により合理的に見積もった課税貨物の引取りに係る消費税額をいう。以下11‐3‐10において同じ。)について当該課税貨物の引取りを行った日の属する課税期間において法第30条《仕入れに係る消費税額の控除》の規定の適用を受けた場合において、その後確定した引取りに係る消費税額が見積消費税額と異なるときは、その差額は、その確定した日の属する課税期間の課税仕入れ等の税額に加算し、又は課税仕入れ等の税額から控除するものとする。
 なお、関税法第77条第6項《郵便物の関税の納付等》の規定の適用を受ける郵便物を引き取った場合も同様とする。
(電子申告の場合の輸入の許可があったことを証する書類)
11‐3‐11 電子情報処理組織による輸出入等関連業務の処理等に関する法律第3条《情報通信技術利用法の適用》の規定に基づき、電子情報処理組織を使用して輸入申告したものについて、輸入の許可があった場合における令第49条第5項第1号《課税仕入れ等の税額の控除に係る帳簿等の記載事項等》に規定する輸入の許可があったことを証する書類は、「輸入申告控」及び「輸入許可通知書」とする。
(現物出資に係る資産の取得)
11‐4‐1 事業者が現物出資(令第2条第1項第2号《資産の譲渡等の範囲》に規定する金銭以外の資産の出資をいう。)により資産を取得した場合において、当該資産の取得が課税仕入れに該当するときにおけるその課税仕入れに係る支払対価の額は、現物出資を行った者との間で授受することとした株式(出資を含む。)の交付(持分を明らかにして株券等を交付しない場合を含む。)の時における当該株式の価額に相当する金額(課税資産に対応する部分に限る。)となる。
(注) 法第12条第7項第3号《分割等の意義》に該当する分割等により設立された新設分割子法人が、同号の契約に基づく金銭以外の資産の譲渡を受けた場合の課税仕入れに係る支払対価の額は、新設分割親法人との間で授受することとした金額のうち課税資産に対応する部分の金額となる。
(建物と土地等とを同一の者から同時に譲り受けた場合の取扱い)
11‐4‐2 事業者が、課税資産と非課税資産とを同一の者から同時に譲り受けた場合には、当該譲受けに係る支払対価の額を課税仕入れに係る支払対価の額とその他の仕入れに係る支払対価の額とに合理的に区分しなければならないのであるが、建物と土地等を同一の者から同時に譲り受けた場合において、その支払対価の額につき、所得税又は法人税の土地の譲渡等に係る課税の特例の計算における取扱いにより区分しているときは、その区分したところによる。
(郵便切手類又は物品切手等の引換給付を受けた場合の課税仕入れに係る支払対価の額)
11‐4‐3 法別表第1第4号イ又はハ《郵便切手類等の非課税》に規定する郵便切手類又は物品切手等による引換給付として課税仕入れを行った場合の課税仕入れに係る支払対価の額は、事業者が当該郵便切手類又は物品切手等の取得に要した金額とする。
(課税資産の譲渡等に係る為替差損益の取扱い)
11‐4‐4 支払対価を外貨建てとする課税仕入れを行った場合において、課税仕入れを行った時の為替相場(外国為替の売買相場をいう。以下同じ。)と当該外貨建てに係る対価を決済した時の為替相場が異なることによって、為替差損益が生じたとしても、当該課税仕入れに係る支払対価の額は課税仕入れを行った時において当該課税仕入れの支払対価の額として計上した額となるのであるから留意する。

(課税仕入れに係る支払対価の額が確定していない場合の見積り)

11‐4‐5 事業者が課税仕入れを行った場合において、当該課税仕入れを行った日の属する課税期間の末日までにその支払対価の額が確定していないときは、同日の現況によりその金額を適正に見積もるものとする。この場合において、その後確定した対価の額が見積額と異なるときは、その差額は、その確定した日の属する課税期間における課税仕入れに係る支払対価の額に加算し、又は当該課税仕入れに係る支払対価の額から控除するものとする。
(特定課税仕入れに係る消費税額)
11‐4‐6 特定課税仕入れについても法第30条《仕入れに係る消費税額の控除》の規定が適用されるのであるが、その場合における特定課税仕入れに係る消費税額は、当該特定課税仕入れに係る支払対価の額に100分の6.3を乗じて算出した金額であることに留意する。
(注) 簡易課税制度が適用されない課税期間において、当該課税期間の課税売上割合が100分の95以上の事業者は、特定課税仕入れを行ったとしても、当分の間、当該特定課税仕入れはなかったものとされるのであるから、当該特定課税仕入れについては、法第30条の規定は適用されないことに留意する。